外力によって、骨の連続性が断たれた状態を骨折と呼びます。
あらゆる部位の骨に骨折は生じます。
骨が完全に折れると、骨片同士が曲がったり、ねじれたり、つぶれたりとずれを生じます。このずれのことを転位と呼びます。
転位のない骨折をひびあるいは不全骨折と呼ぶことがあります。
骨折の原因の多くは外傷によるものですが、それ以外にも原因となるものがあります。日常生活で気をつけていれば防げることも多いので、骨折を回避するために、原因をあらかじめ把握しておくことも大事です。
骨折の原因は大きく、外傷によるもの、疲労によるもの、病気などによるものの3つに分けられます。
転倒、転落、衝突、交通事故などで外傷を起こした際に起こる骨折です。
過度のスポーツなどによる集中した力が加わることで、小さなひびがたくさん発生したために起こる骨折です。
骨粗鬆症、骨腫瘍などの病気が主な原因となり、骨の強度が低下して起こる骨折です。
骨折をした際に、皮膚表面から骨が露出していない状態を指します。
骨が折れると同時に、骨折した部位の皮膚も損傷し、骨が露出した状態です。
骨が粉々に砕ける骨折です。スポーツや交通事故による強い衝撃、または骨粗しょう症で骨が弱くなった人が転倒した際に起こります。
骨の同一部位に継続的な力が加わることで折れた状態です。足や腰に起こるケースが多く、女性ホルモンの低下によって骨折する場合もあります。
骨がつぶれたように変形した状態です。腰や背中に強い痛みが出る場合が多く、老化や骨粗しょう症によって骨が弱くなると起きやすくなります。
外部からの衝撃により、腱や靭帯の結合部から骨が剥がれた状態です。日常的な動作が原因となり、手や足首に起こることが多いです。
皮膚の下で骨折した状態です。外見ではわかりませんが、内出血によるあざができてその後変色します。
横骨折、斜骨折、らせん骨折、粉砕骨折に分けられます。粉砕骨折というのは、骨片が3つ以上に分かれた骨折、要するにバラバラになった骨折です。複雑骨折とは呼びません。また、軟部組織(皮膚・筋肉)損傷の程度により、開放骨折と閉鎖骨折または皮下骨折に分けます。開放骨折とは創があり骨折部と外界が交通している骨折のことで、合併症皮膚壊死、感染、癒合不全などが多く治療が難しい骨折です。骨折の部位、程度、原因、形態、軟部組織損傷により治療法は異なります。
症状は患部の痛み、腫れ、内出血、患部を押したときの痛み圧痛、骨折部が動く音、轢音、変形などがあります。
保存的治療とは、ギプスや添え木などを用いて骨折した部位を固定して安静を保ち、骨が癒合するのを待つ方法です。骨では、骨を作る「骨芽細胞」と骨を壊す「破骨細胞」が常に働き、毎日生まれ変わっています。骨が折れてもいずれ治るのは、こうしたシステムが備わっているからです。
骨が折れて大きくずれている場合はうまく付着しないので、手や器具を使って皮膚の上からずれた骨や関節の位置を正しい位置に戻す徒手整復を行ってからギプスなどで固定します。軽い骨折や疲労骨折の場合は、この保存的治療で対処するケースがほとんどです。
骨の損傷が著しい場合や、徒手整復ができない、もしくは整復してもすぐに元に戻ってしまう場合、体重がかかる足の骨などは、手術を行います。手術的治療にはいくつかの方法がありますが、骨折の状態や折れた部位などから総合的に判断されます。折れた骨をもとに戻してネジやボルトで固定し、関節を動かしても骨が動かないようにする手術が基本です。
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